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第2回 2011年7月1日(金)開催

ゲストプレゼンテーター紹介

加藤 富美代 氏
起業家
加藤 富美代 氏
(かとう ふみよ)
株式会社和紙来歩 代表取締役

(http://washilife.com/)

1962年京都生まれ。

父は草木染作家、母は日本舞踊師匠。

表具や襖材料の卸会社に嫁ぐ。

昨今、和室の減少が著しい中、又、和紙を作る職人さんの減少など和紙を扱う事が厳しくなってきた。出来るだけ多くの人に和紙の良さを知ってもらいたいと、2007年「株式会社和紙来歩」を設立。

当初はHPでの案内をしていたが、2年前にショールームをオープンする。破れない和紙「みやこクロス」を使った鞄も提案する。

川口 加奈 氏
社会起業家
川口 加奈 氏
(かわぐち かな)
Homedoor代表

(http://zaq.ne.jp/users/homedoor)
14歳でホームレス問題に出会い、講演やワークショップ、献米活動を実施。

その功績から、高校生で米国ボランティア親善大使に選ばれる。

帰国後、WITH高校生国際ボランティア団体、NPO法人・アイセックなど様々な団体設立に関わり、現在は、ホームレス問題を雇用創出によって解決する団体・Homedoor代表。

第一弾はコミュニティサイクル"HUBチャリ"事業。モーニングカフェも運営中。

NEC社会起業塾、ユメコラボ、内閣府雇用創出事業基金から最年少で支援を受ける。

レポート

今回のゲストはビジネス・アトリエ初のどちらも女性のゲストとなりました。
加藤さんは
親会社である襖・表具・内装材料卸専門会社の『株式会社加徳』へ
「和紙をみたいけれど見れるところが無い」
「自分のところのオリジナルのふすま紙を作ってみたい」「こんな紙ってどこにある?」との
お客様の問い合わせが増えたことによって沢山の商品を見ていただき、和紙の新しい展開が図れる会社として
『和紙来歩(わしらいふ)』を4年前に設立されました。
和紙の世界にも、海外のものであったり、機械で作成された安価なものがどんどん進出し、
職人さんが寒い時期に苦労をされて丹精込めて手作業で漉かれたほんものの手漉き和紙が
危機にあることに心を痛めておられるお話をしてくださいました。
また、和紙製の(すべて土に還る)環境に優しい風船や、和紙を特殊加工して洗える素材としたものをバックやポーチなどに展開されている画期的な商品開発をご紹介いただき、参加者は実際の品物にふれ、驚きの声があがっていました。
 
現役大学生である川口さんは、
大阪の「ホームレス問題」「放置自転車問題」を一緒に解決へ導くべく会員制のシェアサイクルのシステム『HUBchari』の実証実験の2日前という忙しい時間を縫ってご登壇いただきました。
ホームレスの人たちの実態を知って、ホームレスの人たちを支援する活動をされていましたが、現在はホームレスの人たちを
生み出さない仕組み作りへの転換を図る事が、将来へ繰り越される問題の解決への糸口であると考えておられます。
ホームレスの人たちが一時的ではなく、継続的に働ける場所を作るということで発案された『HuBchari』は
社会貢献という枠にとらわれず、便利だから参加したいと思えることで「一般のユーザーも利用しやすい」と、さまざまな機関を巻き込んで動き出そうとしています。
20歳の大学生の大きな活動に、親世代の参加者から「すごい!」と一同に感心されていました。
 
今回のお二人のお話に共通して出てきた事は『雇用』。
ホームレスにならざるを得ない原因のひとつに、仕事が無くなってしまったという現実。
また、厳しい労働を伴いながら伝統の産業を繋いでいこうとされているにも関わらず、安価なものが参入し、
消費者がそちらへシフトする事によって減ってしまう需要の蔭に伝統産業の継承者の就業先が無くなるという現実。
日本が抱える問題のひとつがシーンは違えど、重なって浮かび上がった今回のビジネス・アトリエでした。お二人とも、全く違うフィールドでありながら問題解決の一助になろうと頑張っておられる、頼もしいお姿をうかがい知ることのできた大変素晴らしい機会となりました。
 
 
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