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第6回 2011年12月16日(金)開催

ゲストプレゼンテーター紹介

田畑 一彦
ゲストスピーカー
田畑 一彦
(たばた かずひこ)
有限会社クラフトカフェ

代表取締役
1976年京都府舞鶴市生まれ。

静岡大学人文学部社会学科卒業、立命館大学大学院社会学研究科修士課程修了。

学生時代は、大企業や伝統産業の職人を対象とした産業調査に関わる。

大学院修了後、京都のベンチャー新聞社で様々な分野の起業家を取材。

新聞社を退社後、取材を通じて知り合った通販企画会社にて、新規事業のネット通販の立ち上げから軌道に乗せるまでの過程に携わる。

2005年7月、有限会社クラフトカフェを設立。

京都をはじめ、各地で活動する職人・作家、ものづくりの歴史と集積のある産地のブランドなど、こだわりがつまった商品・作品の紹介・販売を通じて、日本のクラフト系のものづくりの発展に寄与すべく活動中。
吉岡 一郎
ゲストスピーカー
吉岡 一郎
(よしおか いちろう)
京繍(kichi)

伝統工芸士
二十歳の折、日本一周を2年間で旅をする。

刺繍は、得意の細密画を活かし旅先でも出きそうな軽便な道具立てを気に入り 約5年間、師匠について修業し、独立する。

着物、帯への刺繍加工をメインに 文化財の修復、復元(繍仏、祭の品、衣裳等)アクセサリーや小物etcの制作、コレクションの収、実演や教室開催等々。

今もアンテナを高くして 更に魅力的な刺繍を探って 繍の世界へ放浪しています。  

レポート

こだわりの商品を集めてインターネット販売をされているクラフトカフェの田畑さまは、
大学時代に産業調査で様々な方々に取材をされた経験が活かされていると言われていました。
色々な方々の苦労話は、時間を忘れて聞き入るほど興味深く、そうして出逢った人たちと
「取材」という形だけで終わるのは惜しいと、何か面白いことが出来ないかと思われたことが、
今のお仕事に繋がっていると言われます。
ただ単に、商品を仕入れて売るということではなく、様々な思いを持ってものづくりをされている方を
沢山の人に知ってほしい,ご自身は裏方でいい、その作家の方や商品に脚光が当たるお手伝いをすること
がご自分の役目だと仰います。リーマンショック以降の不景気の中で、改めてご自分の原点に戻って
考えることが出来たとのことで、商品やその周りの風景を細かに情報発信することで、
お客さんの心をとらえることができると、それが楽しいと笑顔いっぱいにお話ししてくださいました。
 
京繍の吉岡さんが話してくださった刺繍の歴史とは、刺繍は世界で自然発生的に各地の特色を活かして
始まったということでした。国は違えども、刺繍の素晴らしさは世界どこに行っても評価を受けられるそうで、
特に日本刺繍は大変繊細な技術があるとのこと。
日本の中でも地域や文化によって特色があるとのことで、京都に於いては京繍(きょうぬい)と言われ、
髪の毛よりも細い糸を使って、細かな表現をすることも可能だそうです。
着物を着る人が減るのと同時に、刺繍の職人もどんどん減り、技術の継承は難しくなってきていますが、
吉岡さんはご自分が世の中に対して貢献できることは、いいものをを作って残していくことだと仰います。
またこの業界に於いて未知の可能性はまだあると考えておられて、世界の仲間たちと
切磋琢磨していきたいと話して下さいました。
 
座談会では、田畑さんの扱っておられる個性的な商品を見せていただき、
エピソードをお聞かせいただいたり、見とれるほどの細やかで美しい吉岡さんの作品を
見せていただきました。実際に使われている針もお持ちいただき、その針も作り手が無くなってきた
という切実なお話をうかがうと共に、作品を作る時に針先に神経を集中させることで
神経が研ぎ澄まされて虫の触角まで見ることができるというお話しに、参加者から『集中の仕方を伝授してほしい!』と意外な質問まで飛び出す賑やかな会となりました。
 
     
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